野洲川 松山谷 ニゴリ谷


 鈴鹿マイナー沢の一つ、野洲川の松山谷を歩いてきた。メンバーは野人先輩、プロフ、IZ氏と私のドロドロおじさん4人組。

 雨乞岳の稲ヶ谷登山口に集合し、そこから沢に下りて松山谷を目指した。水量の乏しい沢との情報があったが、確かに谷の出合いもはっきりとしない状態だった。倒木が邪魔をして、さらに貧相さを増していた。出合いを探すのに30分以上はロスしてしまった。

 谷に入るとすぐに屈曲した見栄えのする滝が出迎えてくれた。取り付いてみるとホールドも豊富で、簡単なクライミングで上に抜ける事が出来た。沢は楽しい~。その上は小さなナメが続いて軽快に高度を上げたいった。


 しばらくすると、目の前に5m程度の滝が現れた。単独ならば巻くの一択だが、今回は強力なドロドロおじさん達が一緒にだった。まずIZ氏が滝を登っていった。次に野人先輩、その次にプロフと、私以外は滝を登ってしまった。なんてことだ・・・なんてことだ・・・とつぶやいていたら、上からロープがスルスルとおりてきた。「ありがとうございます」何の躊躇もなく私はロープを使って滝を登った。プライドなんてものありません。


 滝の上は平凡な流れとなっていた。黙々と高度を上げると両側面からの崩落が酷くなってきたので、尾根に逃げることになった。

 ふくらはぎが悲鳴を上げる急登を堪えると、尾根上に乗り上げた。眺望とコンパスから目的の西鎌尾根と思われた。ここで進路を東にとった。尾根の踏み跡も明瞭だった。

 風を感じながら歩いていると、樹林が切れて白いザレが現れた。本日のラスボスの登場だ。風化した花崗岩の蟻の戸渡りだ。右左どちらに転げ落ちても、ただではすまない気配が濃厚だった。ロープの準備をしていると、野人先輩が普通に歩いて渡ってしまった。流石の運動神経だ。キレているのはお尻だけではなく、全てがキレキレだ。IZ氏がロープを固定してくれたので、またもや躊躇せずにロープに頼ってここを切り抜けた。そうプライドなんてありません。プロフが最終で渡ってきたが、「ヒエー」と叫びながら楽しんでいた。チビッたらしい。 
 ここの通過はかなり悪く、単独ならばここで敗退していたと思われる。


 そこから急登しばしで鎌の頂上。すぐに岳峠に下り、峠からニゴリ谷へおりた。谷上部から眺める、鎌の頂部南西面は凄まじい崩落面を見せてくれた。なんて荒荒しさなんだろうか。沢登りの楽しさの一つは、山の多面性を見て感じる事が出来る事だ。自分の知らなかった鎌ヶ岳の一面だった。

 ニゴリ谷は、ケルンやミッテルも所々にあり悪場も無かった。美しい水や側壁から流れ込む滝に癒されながら高度を下げ、気が付けばスタート地点へ戻っていた。


 松山谷は小さな沢だったが、中々に楽しかった。鈴鹿の山にはまだ知らない事が沢山ある。もっと歩いて探してみたい。

 単独では今日の山行は成功しなかっただろう。ドロドロおじさん3人に感謝したい。

 



コメント