岩に挟まりたかった。先週の「卍固め」からワイドクラックに魅かれ始めた自分を感じたからだ。近場で何かないかと記憶の底を探ってみたら、あるボルダー課題の事を思い出した。
通称、東の河原にある「ジッパー」という課題。以前触った事があったが、本気でトライはしたことはなかった。
休日、県境トンネルを越えて現地に向かった。雪の心配をしたが杞憂だった。太陽が注ぎ降る谷間はとても暖かくシャツ一枚でもよいくらいだった。ただ日陰の水たまりには氷が残っていた。
「ジッパー」の魅惑的なクラックには大量の落ち葉が溜まり苔に覆われていた。下地も前よりかなり下がっている様に感じた。掃除をしながらムーブを想像した。かぶり気味でフリクションも期待できない。これは面白くなりそうだ。
右手はカチ、左手ハンドでスタート、右足はスメア、そうすると体が浮くので小さなチョックストーンに左足を乗せる事が出来る。ここから左足のニーを効かせて、左手をアームバーに切り替える。ズリズリしながら身体を上にあげていくが、右足を有効に使うことが出来ないので割れ目から吐き出された。苔まみれで砂の上に尻もちをついた。予想に違わない難しさに一人でニヤリとしてしまった。これだよこれこれ。
隣にある「やさしい棘」という課題と交互にトライした。馬鹿みたいに打った。明日の筋肉痛が怖いが、そんな事を考えていては今日が面白くない。みたいでは無く、お馬鹿さんになりきってみた。
昼を回ると水温が上がり水生昆虫のハッチが始まりだした。傍らのプールでは昆虫を追う魚影を見る事が出来た。今日ここに来てよかった。
結局15時頃までマシンガントライをしたが、「ジッパー」の中に潜り込む事はかなわなかった。
左半身を鈍い痛みが襲っていたが、心は澄んでいた。今の自分では歯が立たなかった。しかし解決への方策が無い事はない。あのジッパーを引き下ろしてみせるぞウヒヒ。
近くにある貴重なワイドクラックボルダー。鍛えてまたトライする。
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