ハレルヤ オフィズスなのかスクィーズなのか


 春の日、御在所へ。忘れ去られた岩下にあるチムニーを目指して。

 このチムニーは岩の東面から見るとサイズが変わり少し狭くなる。しかも片面がフレアーしている。見るからに面白そうな隙間だった。ただ高さは5mしかないのが残念だ。


 内面は風化が酷く荒れているので、懸垂しながら浮いたフレークをハンマーで落とすことにした。ボコボコガッガッ、大きなフレークを落とすと下から虫が飛び出てきた。何の虫か知らないけれど安眠を妨害してゴメン。

 まずはトップロープで登る事にした。スタートが土の斜面になっていてクラックの中に入り込む事から少し苦労した。左半身を中に入れて手をアームバー、足を膝と踵でスタックさせた。右手はプッシュ、右足はニー&フット。もがきながら上を目指した。少しの登ると広さが変わった。右足をきめる方法を考えなければいけなかった。ニー&フットでは足がきまらない。外に開いた面の微妙な窪みを拾いながら堪えたが、すぐに吐き出されてしまった。思ったより難しい。左半身のジャム?は良好だが右足の使い方に頭をひねった。何ともならず1回目はお助けスリングを使って上へ抜けた。
 2回目も変わらず悪戦苦闘した。この時点であわよくばロープソロで登ろうとの考えは消滅した。粒子のこわい岩肌に押し付けた両掌が真っ赤になっていた。こんなの初めての経験だった。


 気が付けば正午を回っていた。何時もと違う筋肉疲労を感じながら休憩をとった。昼飯は自分で作ったおにぎらずだった。具には鮭フレークにワサビと黒コショウを混ぜた物を入れてきたのだが、これが馬鹿美味だった。ワサビの風味がとても良い。次もこれだね。


 休憩後3回目の試登をしてみたが、全く進歩無しだった。

 このチムニー、手前はオフウィズスサイズで中間部にキャメロット#6が効く。中間より上はサイズが広がり、手持ちのギアでプロテクションを取る事は出来ない。これからどうやってこの割れ目と向き合うか。悩みと楽しみは尽きない。岩の状態から誰にも登られた形跡はないので、勝手に仮称「ハレルヤ」としておこう。

 次に砦岩に移動して「オードブル」に取り付いたが2ピン目で敗退した。ロープソロで限界ルートに取り付く事は気持ちの面で難しい。簡単に自分に負けてしまう。

 まだ時間はあったが、「ハレルヤ」で異様に疲れてしまったので藤内小屋まで下りてドメゾン岩で締めにした。

 「ハレルヤ」を登るには右足のきめ方が大切だ。あとプロテクションをどうするかが悩ましいところ。50代の初心者には、乗り越えなければいけないハードルが沢山ありまくりです。春の日は煩悩が沸いてくるくる。

 

 

 
 

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