暴風開拓作業とヤンマ拾い


 日曜日は少し早起きをして「トリケラ」へ上がった。荷物がとても重かったが頑張って歩いた。下界の天候はまあまあだったが、岩場に上がると強烈な風と雨が私を出迎えてくれた。霧の中で五里霧中だ。


 ザックにセルフを取って安心していたら、岩の上に置いたロープが風に吹かれて危うく飛んで行くところだった。
 
 雨が止むまでカッパを羽織って岩陰で休むことにした。気が付くと両手の指先が痺れていた。濡れた身体から風が熱を奪っていったからだろうか。

 天候が少し回復したので作業を開始することにした。懸垂でテラスまで下降して、この前残置したボルトを撤去した。電動ドリルは仕事が早い。

 その後に計3本ボルトを打ったがどれも失敗だった。ここの岩は風化が激しい事と私の施工不良が原因だと推測した。立壁面はまだしも天端の岩はグサグサだ。アンカーの打ち込みには計画を練り直す必要がある。ナチュプロだけでは心もとないので、1本だけでもしっかりとしたアンカーが欲しい。

 かなり疲れたが、この前に試登したスラブの掃除もした。クラックに詰まった泥をハンマーで穿り出した。知らぬ間に右足の親指を痛めていたので、今日は掃除のみとした。この頃になると天気も回復して展望も良くなった。前尾根を登るパーティーのコールが時折聞こえるのみ。静かな山だ。



 荷物を片付けルンゼを下り、登山道に合流した。足指が痛むが少しだけボルダーを楽しんだ。「赤矢印」の一番簡単ラインを登ったが5級くらいに感じた。ガバが超気持ち良いラインだ。「赤矢印」はとても良いボルダーだが誰も触ることが無い。小さな石ころにも一瞬の光が宿っているのに勿体ない事だ。


 藤内小屋で休憩して本日の徒労の報告をした。「トリケラ」最上部のボルト類は御在所神様のM井さんが昔打った事が判明した。ちょっと触ってみたが岩の風化が酷いので止めたとの事だった。

 下山して砂利道を歩いていると、路面にオニヤンマが転がっていた。風に煽られたのか、寿命なのか分からないがかなり弱っていた。気になったので林の中に避難させた。今年の初ヤンマだった。回復する事を願った。


 予定通りに進まなかったが、中々濃い一日だった。だいたい何時もこんな風だ。求めた答えが出るのは極まれなことだ。それでも楽しければ私には収穫の日となる。

 

 

 

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