白滝谷からツメカリ谷

 

 晴天の土曜日。白滝谷を下りてツメカリ谷を歩いてきた。

 林道経由で稜線まで登ったが、朝の時間は湿気が残っているのか、シューズに蛭が10匹くらいまとわりついてきた。すかさずジョニーで成敗した。

 白滝谷の下降中も蛭がうるさかった。この夏で一番の蛭祭りだった。

 山道がナメを渡る箇所で、ハーネスとスパッツを装着して沢に入った。この沢も少雨の影響からか、水苔などが繁茂してとてもよく滑った。注意しながら下降をした。標高を落とすと大きな滝が現れた。おそらく白滝だと思われた。一応8mm20mの補助ロープを持ってきてはいたが、懸垂は止めて左岸にあがって山道から巻いた。山道はこの滝場を大きく迂回しており、再度沢に合流したところは、神崎川との合流点だった。ここで一服した。

 神崎川の広い河原には他に人影も無く、ただ水の音だけが耳に入ってきた。

 ここから川を下降。股下までの渡渉を何度かしてツメカリ谷の出合いに到着した。増水しているとここまで来るのは困難だと思う。

 ツメカリ谷の入り口は小さな廊下状で、本流と比べると貧相な流れだった。この谷も苔の繁茂が酷く、岩に緑色の苔がへばりついていて、どうにかすると緑色の水に見えたりした。

 廊下の中は小滝が連続して歓迎してくれた。どれも登る事が出来るので面白い。滝つぼが深いものが多いので、泳ぎも交えながら滝を登っていった。

 この谷は隣の仙香谷(赤坂谷)の下降路として使われる事が殆どの様だが、単一の沢として見てもかなり面白いと思う。個人的には、人気のある元越谷より、ツメカリ谷に軍配をあげたい。







 廊下を過ぎても小滝は続いた。岩盤の上を流れている様な谷なので、ナメやすだれ状などの飽きる事が無かった。途中で赤坂谷からの下降者と思われる2名の方とすれ違ったが、後は誰とも会うことはなかった。

 上流になると裏見出来る滝もあった。裏側に入ってみたが上手く写真を撮る事は出来なかった。しかし楽しい事この上なし。

 さらに歩くと滝も減り沢も平流となり、小さな落ち込みが目立つようになった。標高750から800mぐらいで左岸に顕著なケルンを見つけた。地図を見ると南の白滝谷とは低い尾根が隔てているだけだった。このまま沢を詰めても刺激はなさそうだったので、白滝谷へトラバースする事にした。


 溜水の様な小沢を歩き小尾根に上がった。古いミッテルと何となく踏まれた跡が導いてくれた。しばらくで峠状に到達した。(帰宅後に西尾本で調べると、この場所はフナ峠と思われる)

 峠から白滝谷方面へ下降した。植林帯の中を水の流れに沿って歩くと、朝に通過した白滝道と合流した。そして、そこから少しの登りで稜線に到達することが出来た。

 時間も遅いからか主稜線も無人だった。最後にハト峰に登って一日の晴天に感謝した。


 ツメカリ谷は、隣に赤坂谷という素晴らしい谷があるからか、その陰に隠れてしまい不遇の谷と思われる。赤坂谷ほどではないが、小滝の連続とナメは沢人初心者の私を十分満足させてくれた。

 ツメカリ谷は当たり。山に刻まれた小さな宝物だった。

 

 

 

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