「ホワイトウルフ」にトライするべくB山へ。現地で四太画伯と合流した。画伯は今日はビレーのみの為に来てくれた。グリーンのダウンに赤いジャージの取り合わせが新鮮フルーツの様だった。世間一般に言うフルーツおじさんというやつだろうか。
稜線まであがり岩場へ向かった。いきなり「ホワイトウルフ」にトライするのは無謀なので、展望岩下岩場でアップすることにした。
フルーツおじさんの言う、ルート名も無い5.8程度のルートを登ってみる事にしたのだが、これがいきなり大ハマりで、テンションまみれで何とか抜ける情けなさだった。5.9くらいあるのではとフルーツおじさんに問うと、「そんなにありゃせん」とにべもなかった。名も無きルートにズタボロにされる我が心と体。北風が染みるぜ。
無名ルートでアップを通り越して、あっち側に行ってしまいそうだったが、そのまま本命の「WF」に移動した。ルートの取り付きは谷から吹き上げてくる風にさらされていてとても寒かった。
準備をして1トライ目。岩が冷たくて指先の感覚が瞬く間に無くなってしまう。2ピン目にクリップ後にテンションしてしまった。指が痛いしムーブが分からない。ロワーダウンすると、過去にこのルートを登っているフルーツおじさんが貴重なアドバイスをくれた。「ポケットに立つのです」と。
半信半疑でロープを残したまま2便目をスタートさせた。ハング下のクラックに囚われず、ポケットに立つ事に注意してみると、ガバをキャッチする事が出来た。次に核心のスラブもテンションとフルパワーで何とか超えた。何とかなりそうな感触を得る事が出来た。
ランチ休憩をしていると岩に日が当たりだした。太陽を浴びた「WF」は中々美しい。岩が少しは温かくなってくれる事を願いながら3便目の準備をした。
そしてスタート。フレークからフェースへ、クラックホールドを繋ぎながらポケットに立つ。左手を掲げると頭上のガバに問題なく届いた。足を上げて棚ホールドをキャッチして、そこに立ち込めば大休止が出来る。ここまではムーブが出来上がっていたので問題は無かった。1日で「WF」を完登出来れば上出来だ。心に中でにやけてしまった。
しかし、難関は最後のスラブだった。先ほどはテンション抜けしたので気が付かなったが、ツルツルのリップを使って結晶に立ち込むムーブが何とも踏ん切りがつかない。ウンウンと唸りながら2歩上がったが3歩目が出なかった。リップを押さえていた左指と肩が痙攣していた。残念だが完登は持ち越しとなった。
白狼の牙は小さな岩の結晶に姿を変えていたのだった。
回収をするために岩塔の頭に出ると、とても良い天気だった。登りは散々だったが気持ちは爽やかだった。
立ち込みを鍛えてまたホワイトウルフに会いに来よう。その時は結晶の牙に負けないようにする。


コメント
コメントを投稿