輝く風 レインドロップ登れません

 

 日曜日、膝に水が溜まっているM坂さんを召喚して、午前中のみ「レインドロップ」の練習をした。調子が良ければリードだ!と思っていたが、やはりこのフィンガークラックは厳しかった。

 アップを含めてトップロープで3本やってみたが、全てテンションまみれだった。短いクラックだが、私とは長年のお付き合い。下部の突破が鍵なので、もっと指力をつけて固く閉じた扉をこじ開けたい。プロテクションは全てマスターカムになる。#2を一瞬でセット出来るだろうか?時間がある時にリードしてみるか。諦めが悪い55歳の春うらら。




 初めて取り付いたM坂さんは、スタートしてすぐに見切ったらしかった。これは体を壊す系だよと。深追いすると膝だけではなく肘にも水が溜まる可能性無限大。

 「レインドロップ」の横にあるスラブも中々魅惑的なので、M坂さんはこちらに照準を向けた。身体に優しいオーガニック系のラインだ。少し変則的だが、スラブの左端からスタートして、出来るだけ早くに中央に進路をとると、より楽しめる。私も登ってみたが、とても面白かった。ミニマムボルトで開拓するか考えてみよう。




 昼すぎから晴れだしたが、風は増々強くなってきた。午前のみのM坂さんと裏道分岐で別れて、一人で山を歩く事にした。藤内小屋を過ぎてヤシオ尾根方面に足を進めた。だれにも会わない静かな山に突入した。

 強い風が澄んだ空気を連れてきたみたいだ。少し傾いた太陽からの光線が、冷気を切り裂きながら、はっきりとした影をあちこちに出現させている。何処までも歩けそうな錯覚を感じ、少しハイになりながら標高1000m近くまで上がると、アカヤシオが姿を見せ始めた。青空にピンクの花が綺麗だ。盛りは過ぎたみたいだったが、風になびく姿は、旅をする蝶みたいだった。




 ここから回れ右をして山を下りた。途中で「ジャンキーハング」にぶら下がってみたが、午前中に腕力も体幹も使い切った様で何も進展は無かった。いい加減、足も腕も重たくなっていた。

 ぶつぶつ言いながら小用をたしていると、目の前に毛の塊が転がっているのを見つけた。よーく見るとアナグマだった。私を見ても警戒も逃げもしない。何か毛づくろいをしているみたいだった。ちょっと間抜けで可愛い動物に癒された。

 その後は、道端に落ちていた鯉のぼりを藤内小屋に届けたりしながら下山した。風の吹く日は色々あるな~。

 「レインドロップ」は、手強いが何とかなる感触もある。宿題は、厳しければ厳しいほど燃える。まだ自分に負けるわけにはいけない。





 



 

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