疲れが溜まると気持ちが減ってゆく。家でボーっとしている事が一番楽しくなってゆく。貝の様に静かに時を過ごすのも悪くはない。
ここ数日そんな波に侵されてきていたが、四畳半クライマーにも矜持があったりする。それは登り続ける事である。
休日、ゆっくり起床して家を出た。目的は「アンダーワールド」
到着した谷底は季節が一気に進み春の陽気。小鳥が歌い、小さな虫たちが騒ぎ出していた。
この小さなクラックボルダーにもそろそろ回答を出さねばいけない。クラックに手をねじ込み、スタートをする。右の岩を上手に使うのがポイントだ。この前に触ってから、数回雨に打たれているので、岩を覆う土も少なくなっていた。何回かトライをするうちに、今まで届かなかったホールドをキャッチする事が出来た。右足のトゥージャムが糸口だ。
休息は近くにある他のボルダー掃除。ここからスタートすると面白いかもしれない云々。苔に覆われた脆い小さな岩に、想像の絵筆を走らせた。
休息は十分、解決するムーブはほぼ解明出来たので、力を蓄えて決めるつもりでトライをした。
左手ジャムから遠い右手ジャム、左手をガスにし右足を水平クラックにトゥージャム、右足を起点に体を上に押し上げる。右の岩の遠いホールドをキャッチし、更に体を上げる。苦しい体勢から足をクラックにねじ込めれば、この岩の罠から抜け出す事が出来る。
クラックボルダーと言いつつも正味のジャムは二手だけ、禁断の観音開きも使った。
登り終わって、わずかな充実感を味わう事が出来た。ただそれが続くのはほんの少しの間だけ。新たな刺激を探す私の目。
河原に転がる小さな岩の隙間に広がった小さな世界。ただその先はまだまだ続く。
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