プレイバックモンキーバック

 

 土曜日、天気は晴朗なれど結露か何かで岩は濡れていた。



 

 なんでじゃーと思いながら中尾根へのアプローチを歩いた。計3通り歩いてみたが、中尾根へのアプローチはモンキーバックから中尾根P4の途中ピッチへ出て、そこから懸垂で降りるのが一番良いと思われます。(御在所神様M井ガイドのおっしゃる通りです)

 「狭き門」を頑張るつもりだったが、この濡れ具合ではどうかと思い、乾いて見えた「モンキーバック」をまず登る事にした。贅沢というか分不相応なアップである。




 膝腰の痛みに耐えて今日も鬼トモ先輩が同行してくれた。全身ほぼモンベルでコーディネートしているのに、肝心な時にモンベルカードを忘れてしまい、温泉で割引を受けられずに嘆き悲しんだと、辛い過去を山道の道中に切々と話してくれた。

 「モンキーバック」は十数年前に登っているが、私のクライミンググレードの上昇はそこからほぼ足踏み状態。モンキーを選んだ理由に、そんな過去の気持ちを再生してみたい考えもあった。

 先輩にビレーをお願いしてテイクオフ。手を差し込むとクラック内はしっとりモイスチャー、お肌には良いけどジャムの効きにはよろしくありません。下部クラックを辿りハング上に#1をセットすると、そこからがこのルートの面白いところだ。ハング上に逆手ハンド、フィスト、順手ハンドとあれこれと差し込む、効きは悪くないがやはり湿気で嫌な感触が伝わる。「フリクションに頼ったジャムをしているからだよチミー。完璧にスタックさせたら濡れていてもジャムはきまりますから」カッパ先生がいたらそう言われる気がした。うっ背筋に悪寒が……。

 1便目はそこで力尽きロワーダウンした。岩の状態もそう良くないし、モンキーが目的ではないので、カムロープ残しでそのままトライを続ける事にした。2便目も同じ感じで1便目より悪かった。やはりこのクラックは手強い。

 先輩は何気に頭の良さを発揮。ホールドを上手く使い、ハングを越えていった。が、そこからがジャムの決め方に悩みテンション。2便目も同様だった残念。

 先輩曰く、左上しているクラックなので、ハング下ホールドを右足で踏んだ方が上に手が伸びるとの事。これぞピタゴラスの定理だそうだ。絶対違うと思うゾそれ。

 3便目だったかのトライ。先輩の考察通り足の踏み方を変えたら、ジャムの効き方が変わった。気が付けばハングを越えていた。上部クラックもじっとりとしていたので、必死にハンドジャムを効かせて#0.75をセット。じたばたとしながら、チョックストーンとクラック右端を何とか保持して岩の天辺に抜ける事が出来た。登ったとは言えないが、とにかくホッとした。

 ロワーダウンしてカムを回収した。とんでもスタイルだったが、十数年前の記憶や思いが再生出来たと思いたい。さすが昔昔に藤内最難クラックだった事がある。「モンキーバック」名作だと思います。




 昼前に「狭き門」に移動した。今日の本命だったが、やはり岩はしっとりしていた。昼飯の後にとりあえずリードで取付いてみたが、ノーマルルートからの合流さえも出来なかった。トップロープに切り替えて触ってみたが、カムを入れながらだととても悩ましい。ノーマルからの合流は、かなり上がってからアンダーフレーク部分からでしか出来ない。ハング下もベトベトでカムをセットする場所とホールドが重複してしまう。&体勢がとてもキツイ。ワイドへの入口は左差しだが、中盤からは右差しでなければ身動きがとれなくなってしまう。戦略を練らなければお話になりません。岩が乾いていればもう少し感触も違うだろうが、今の私にはモンキーよりこちらの方が断然難しく感じてしまいます。

 ただ救いとしては、中盤以降はヒールトゥがしっかり効くし、大型カム以外でもプロテクションが取れる事だろうか。

 15時には片付けないと暗くなってしまうので、先輩がウキウキと2本登ったところで終了とした。やはり先輩は左差しだけでワイド部は登れるとの事。私とは体のサイズが違うので登り方も違う様だ。これまたクラックの面白みだ。

 帰路もモンキー経由でバットレス基部へ。やはりこのルートがP4からの帰りには一番良さそうだ。

 裏道を歩き、藤内小屋で一服。泊り客もそこそこいるらしかった。明日も天気は持ちそうなので楽しいクライミングが期待できるでしょう。

 「狭き門」は名の通り、突破するにはもう少し努力が必要の様だ。中尾根周辺には他にも興味深いクラックルートがあるので、楽しみは尽きないと言うところ。力を尽くして狭き門より入れ、割れ目好きなら。うむ、お粗末。















 

 

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