木苺の生る頃、午後から裏道へ。
ザックにマットを括り付ける無理やり戦法で山道を歩いた。以前から思うのだけれど、クライミングの中で一番荷物が少ないはずのボルダリングが一番荷物が大きい。マットは否定しないが、釈然としない思いもある。自由と安全の天秤はどちらに傾くのが正解か。
入口の岩場では小屋の常連さん達がクライミングの練習をしていた。寄って話をすると、どうやら一壁で事故があったらしかった。
初めは「ミスターX」のボルダー。折り畳みスコップを持ってきたので下地を少しだけ掘り下げたが、ツルハシが欲しい。簡単なアップ後に右課題と左課題を交互にトライしたが、ここは湿気の溜まる場所なのか山蛭が出てきた。二匹駆除して嫌気がさしてきたので移動した。
久しぶりに藤内小屋に顔を出して「ドメゾン岩」で遊ぶことにした。ここなら蛭も出ない。
ドメゾンは右も左も難しい。ただぶら下がっているだけの時間を楽しむ。小屋主が蚊取り線香を焚いてくれた。
そうこうするうちに藤内からクライマーが下りてくる頃合いになった。事故の話で色々と言葉が飛び交っていた。怪我をされた方はヘリでピックアップされた様だった。「これで山や岩が嫌にならなければいいのだけどな」と小屋主か誰かがつぶやいていた。
御在所神様も下りてきた。私がドメゾンにぶら下がっているのを見ると「以前は藤内から降りてきてからドメゾンの右も左も登って下山したしたもんだ」「おまえもがんばれ」とエールとビワの実を投げてくれた。
少し経ってから3K会のご一行も下りてきた。久しぶりに会う方がほとんどだった。老けちゃった方、太った方、変わらない方等々。その中でもウン十年ぶりに会ったK部さんは、私が18か19の頃にあちこちの山や岩に連れて行ってくれた方だった。
昔の話をすると「よくそんな事覚えているな」と言われた。そりゃそうです私の青春の勲章ですものと心の中でつぶやいておいた。
3K会の方たちと別れ、最後の締めにもう一ボルダー。これまた登山道のそばにあるのに誰も触らない岩。
ひらめいた部分を苔を落として掃除したが、これは無理ラインだったので、左隣のスラブを登った。難しくはないが面白い。確か以前に登った記憶有。
3K会別パーティのM崎さん達が通りがかったので、少しだけ話をした。3K小屋に有名アルパインクライマーの方が来て座談会が催されるとの事。シスパーレ繋がりだそうだ。
時刻は夕刻になっていた。まだ日は高く、岩を望む心もある。でも帰ることにした。
登山口に出ると、車道にはまだたくさんの車があった。少しだけ後ろ髪をひかれる思い。
藤内小屋辺りにいると、知っている人知らない人、沢山のクライマーとすれ違う。
ここが御在所の岩場に集うクライマーの交差点であることに今更ながら気が付いた。たまには人が沢山いる場所に腰をおろすのもよいかな。
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