P7凹角遊戯

 

 災害的な暑さだとニュースは言っていた。朝から太陽をさんさんと浴びたお山は輝いていた。御在所にも夏が来た。




 下界はどうだか知らないが、灼熱のアプローチを頑張れば、御在所の岩場は天国だった。シモツケソウを眺め歩き、木陰に荷物をおろし汗で濡れたTシャツと短パンを着替えていると、服にダニが這い上がっていたので指ではじき落とした。

 今日は久しぶりに藤内壁まで上がってきた。陰になる前尾根P7で遊ぶつもりだった。三連休だからか岩場は静かだった。P7スラブはフライパンになっていたが、その横の凹角はセーフだった。

 スラブの終了点から懸垂で降りて凹角上部にある灌木に支点を取った。そこから再度懸垂下降し一人TRをセットした。

 誰にも見向きもされていないルートは汚れていたので、ナッキーで草抜き、ワイヤーブラシで苔掃除と何時ものクリーン大作戦をした。

 凹角ルートは藤内にフリークライミングが流れ込んできた時期(約40年以上前)に作られたルートだ。とてもムーブの面白いルートだと思うのだが、濡れていることが多いのと、前尾根入口にあることからか登る人をほとんど見たことがない。

 微妙で力のいるレイバックからダイナミックなハング越え、上部は容易だがNPを確実決めたいところ。

 ハングより下部の岩が脆いので、リードで登るのであれば岩の固い部分にボルトを埋めた方が良いのか…それとも背中側にあるクラックからカムでランニングを取るか…どちらが正解かよーく考えてみよう。ルートを再生するか、このまま埋もれさせるか。




 14時を回ると岩場から人気が消えた。岩に染み入る蝉の声。スラブは日陰になり、乾いた空気が身に染みた。ルートを狙うのならば今から夕方がその時だろう。

 2L準備した水も全て飲み干してしまった。疲れてもきたので荷物を片付けて山を下りることにした。

 途中、藤内小屋では小屋主と常連さんとアレコレと話をした。私を含めて皆様よいお年頃なので人の去来に耳を傾ける時間は多い。

 家に帰りシャワーを浴びると左足に山蛭が食いついていた。始まったばかりの夏山の贈り物だった。長居して欲しくないので左足のお客さんは秘孔をついてあの世に旅立ってもらいました。











 

 

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