超久しぶりに野人先輩と遊んだ。目的の岩は「SORA」
もちろん先輩が安易なアプローチを許してくれるはずもない。武平峠からではなく、裏道からヤシオ尾根のしっかり歩きましょうコースで岩まで。頭脳は中二、身体は老人一歩手前の私たちの会話は下ネタ70%身体の不調話が30%の割合。
天気も最高によく稜線にでると素晴らしい眺望だった。白い帽子をかぶった山は御岳かな、光る海の向こうには神島でござりますか。先輩が神島へ行きたいと言ったので三島由紀夫の「潮騒」の話をしたが「それおいしいの」との返答だった。
岩場に到着すると傍らに女性登山者が一人座っていた。この場所で他の人と出会うのは初めてだったので驚いた。お話を聞くとバードウォッチングの方だった。この岩を登るのでうるさくしてしまうと説明すると、別の場所へ移動していかれた。追い出した様で申し訳なかった。
ここまでの歩きで、下半身のアップ(卑猥な意味ではない)は出来ているが、上半身はまだほぐれていなかった。しかも風が吹くと体温が奪われていく。準備が完了した時点で微かに歯がカチカチと鳴るぐらい体が冷えた。
1回目のトライ、やはり動きが悪い。ただフリクションは抜群で、岩は友達状態だった。ビビリもありカムを連打しながらクラックを辿る。縦クラックに入る箇所で上手く動けずにテンション。ここで立つか立たないかが心の分岐点。気持ちを入れ替え手を出す。浅いクラックに吹けば飛ぶようなカムをセットしてテラスのガバへ手をのばす。ムーブが分かっているけどハートがドラムの様だ。ガバを掴みこのルート唯一のボルトにクリップしてテンション。ここからのムーブも私のリーチでは厳しいものがあるが、ナイスフリクションに助けられて簡単に天辺に抜ける事が出来た。
登っていれば身体はポカポカだった。とりあえずトップロープ用に支点を作ってロワーダウンした。
先輩にチェンジ。トップロープでカムを回収しながら登ってもらった。何年ぶりかの岩だったが流石の野人パワーで数回のテンションで終了点まで抜けていった。
先輩いわく「やはりこんな緊張感は人生には必要ですね」野人語ります。
休憩の後、私2回目のトライ。
力を温存するために下部のカムは間引いて登った。しかし、トラバースから縦クラックに差し掛かる箇所で足運びを間違えてしまいスリップ、何とか立て直そうとしたがロープにぶら下がるしかなかった。嗚呼ーと叫んで自分の甘さをなじった。結局、最後のフェースでもテンションしてしまい2テンが本日の結果だった。
プロテクションのランナー延長などで余計な力を使ってしまったのが失敗の原因だろうか。次回にはその辺りも注意が必要かな。多分忘れるけど。
帰り道も野人セレクトで青岳直登尾根を下降した。廃道なので微かな踏み跡もすぐになくなってしまった。尾根の下りは難しかった。行先が拡散してゆくなかで、何度か誤って支尾根に入り込んでしまった。しかもかなり急峻なので河原に降りるまで緊張が続いた。
藤内小屋に到着。小屋主や常連さんと雑談していると、ガイド仕事を終えた沼沼さんが壁から降りてきた。クライミングインストラクターをされている凄い方なのだが、飾らない姿物腰は御在所に住んでいた頃と変わらないままだった。いや仙人度はかなり増し、普通の人間ではない感も増していると思われた。
野人先輩とのクライミング山歩きは久しぶりだったが、相変わらず全身コテンパンになる楽しさだった。足が効かなくなり転んだのも久しぶり。クライミングも歩きも鍛え方が足りません。
おそらく今年最後と思われる「SORA」へのトライをものにすることは出来なかった。実った果実を取ろうとした手のひらは宙を掴んだだけだった。ただそれでも良い、その先にあるとても綺麗な空を見つける事ができたから。




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