冬の始まりなのに春一番

 
 野人先輩と桐生辻へ行ってきた。 アプローチの山道ではあれこれと話をして歩いた。
 同世代でおつむの具合も同じぐらいなので、ほぼHな話と昔話。今回は「けっこう仮面」で大盛り上がりだった。毎度の事ながら頭は中二、体は初老なのであります。

 岩場には誰も居ず静けさの中で準備をして、まずホワイトロックの北側のクラックを登った。簡単だが溝状クラックの中は滑っており1歩目で少し迷ってしまった。TRで先輩も登った。終了点下の大岩がはがれそうで怖いとのコメントあり。同意します。




 
 そのままホワイトロックの天辺にあがり「春一番」にTRをセットした。そう今日の目標は「春一番」なのです。
 10月の新アプローチ説明会の時に触ってはいるものの(それ以前にもお触り有)、下部フェースのムーブなんて忘却の彼方でかなり難しい。
 上部の溝状クラックも落ち葉がたまり、北側ほどではないものの汚れて滑っていた。そしてクラックが浅いのでカムのセット位置にも気を使う。
 良いスタイルではないがTRでリハーサルをしなければ、私にはとてもリードトライ出来るルートではない。弱いんです下手なんですアイムソーリーヒゲソーリーです。




 
 先輩と交互に登って昼飯タイム。今度は「八墓村」や「犬神家の一族」の横溝正史シリーズの話で盛り上がった。頭は中二、体は初老、でも気分は名探偵コナンではなく金田一耕助さ。
 
 昼飯の後TRでもう一度登りカムをプリセットした。色々と考えた末に今回はピンクポイントで登ることに決めたからだ。
 
 魔法瓶のお湯を飲みながら休憩をした。白湯がビビっている自分にしみるぜ。
 
 暖かい日差しが少し傾き始めた。時間的にもこれ1本と決めてリードトライをした。ムーブは固まっていないが、フリクションに助けられて悪いフェースを登り、2ピン目にクリップした。ここからクラックへの一手が遠い。脆いフットホールドに立った左足がミシンを踏み出した。なんでそうなるの~足に立ち込めない。あえなくテンションした。気持ちが萎えてしまったが、クラックにつなぐことにした。右上部は問題なし、しかし直上クラックでまたもやテンション。効きの悪いジャムに身を任せる事に、クラックからカムが飛び出す事に恐れを抱いている自分がいた。
 結局最終ピン下まで登って諦めた。岩の状態は悪くなかった。身体の動きも悪くなかった。ただ心が滑っていたのだと思う。



 ビレ−をしてくれた先輩に礼を言うと「あそこまで登れたのでひとまず良いのでは亅と言ってくれた。蟻が十匹ありがとう。
 クライミングで疲れた身体には帰りの登り返しが中々キツく、駐車場に到着した時には正直ホッとした。
 今回も狙ったルートを登る事は出来なかったけれど、楽しかった事だけは間違いなかった。



 アプローチが遠くなり、更に静かになった岩場だけれども、私を呼ぶルートがある限り何度でも訪れたいと思い峠道に車を走らせた。














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