天下峯 隙間時間を楽しむ

 

 天下峯。本日はトモ先輩とクマちゃんと私の異種混合トリオでクライミング。

 朝は日も差さずに寒かったので「藪椿」とその右フェースをTRで登ってアップした。岩が浮いている箇所があるが、どちらも楽しいルート。ただ指が、かじかんで痛かった。「藪椿」は前回と感覚が違い外足もクラック内に入れたが、カタナレースのヒールトゥが良く効いてかなり楽に感じた。

 クマちゃんはワイドは初めてだそうで、ハマる事を期待していたが、ハマらずノーテンで登ってしまった。

 しばらくすると雲がきれて日が差し出した。遥かな真空の空間を旅して届く太陽光のありがたみが骨身にしみた。パッチをはいてこなかったトモ先輩もこれで一安心であった。

 そのうち日光で温められたクマちゃんがムズムズとしはじめた。てんとう虫みたいな熊だ。

 クマ曰く目の前にある「還暦プッシュ」をオンサイトトライすると言う。TRじーさんの私はそのハートに感心した。

 トモ先輩がクマちゃんのビレーをしてくれるので、私は本日目的のワイドクラックの終了点作成と懸垂下降でカムセットの確認をした。前回さんざん触っているのに小心者の私は全くタレゾウである。

 下に戻るとクマちゃんがドスラブと格闘中だった。岩のくぼみに指が入らないとわめきながらとんでもないムーブで悪戦苦闘。何とかルートを抜けてロワーダウンしたクマは汗だくだった。よく頑張りましたと褒めておいた。




 水分が抜けたクマにビレーを頼みワイドクラックへトライした。短いし、そう難しくはないのだが、そこはそれリードは緊張する。私の拙い経験だがワイドは足が決まらなければ始まらない。少しは考えに身体がついてきた様な気もした。悶えながら終了点へ。楽しい隙間時間だった。キャメ#6を使ったのも久しぶりだった。

 その後トモ先輩も問題なくリードで登った。カムのズラッシング、足使いも上手でした。




 昼飯後、回復したクマちゃんは今度は「天地無用」にオンサイトトライをすると言う。いやはや更に感心感心=感心2乗。ビレーはトモ先輩に任せて、私は午前中に登ったクラックのさらに奥にあるクラック用に終了点を作り直しにいった。

 取り付きに戻るとクマちゃんが「天地無用」とがっぷり四つ。気合声を出しながらムーブを繰り出すがそこはそれ、天地ではなく君は無用だとばかり岩から剥がされていた。そして体重差のあるトモ先輩はロープに引きずられ、拷問にかけられた乙女だった。ビレーヤーも大変だ。




 どう見ても難しいムーブが続くので体重差を考えてトモ先輩とビレーをチェンジした。

 声と魂を振り絞りクマが登る。各ピンでテンションは入るがオンサイトなのでムーブも分からないし仕方ないだろう。(上から目線、そう私は生意気なじーさん)最終ピンから最後のクラックも恐怖心と戦いながらクマは頑張って抜けていった。

 ロワーダウンしてきたクマはまたもや水抜け。危うく干物クマになるところだった。(他人目線、そう私はいい加減なじーさん)

 次は私の番、すぐに奥のクラックにトライした。「こんな所カマドウマしか入らんでしょ」とほざくクマをクラックチムニー内に蹴りこんでビレーさせた。

 午前中のクラックは一部の方には「ボロ雑巾」とか言われているらしいが、奥のクラックはとても美しく、私的には秘宝と言いたい。苔と埃まみれだけれど。

 このクラックは右差しで登る。初めは#6を使いうが徐々に細くなっていき最後は#3でフィニ。これまたとても楽しい隙間時間だった。ワイドクラックをリードで完登した事はほとんどないので今日の経験は大切な一歩になった。




 続いてトモ先輩もこのクラックを完登した。危なげない登りだったが、服が埃まみれになっていた。しかも着ていた高級マムートダウンジャケットに穴が…。このチムニーに入る時はどうなってもいいウェアがお勧めです。

 最後のクールダウンにあまり情報のない北側のスラブフェースを全員で登って締めた。トモ先輩とクマちゃんはリードで、私はTRで。(意気地なし、そう私は心も肝っ玉も小さいじーさん)

 このルート、木と土の香りがするが、最後の部分がちょっとピリッとしていた。

 本日も目いっぱい遊んで夕暮れ間近。カラスは鳴かないけれど帰りましょうで帰途に就いた。

 ここではルンゼ正面にある「天下」というワイドはまた触っていないので、これは次回のお楽しみだし、インスタで「天地無用」の反対側にあるワイドも登れる情報を見つけたので、しばらく広めのクラックで遊べそうだ。

 お付き合いいただいた方々ありがとうございました。股お願いいたし鱒。










 

 

 

 

 

 

 

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