花吹雪の舞う谷

 

 小岐須へ。

 里の桜はもう終わり、山の桜もあとわずか。駐車場では初めてアミガサタケを見つけた。

                       


 谷底の岩場には何故か沢山のクライマー集っていた。お久しぶりのカッパ先生はクラック狙いだが、他のクライマーはプロジェクトの見学が目的の様だった。

 クマちゃんはプロジェクトを狙う。懸垂でヌンチャクをセットし、濡れていた部分は雑巾で水をふき取り、熱い心で乾かしていた。

 彼はアップもせずリードトライを開始した。ダイナミックなスタートから超デリケートなフェースへ淀みなくムーブをつないでいく。見学していた私が見惚れる様なクライミングだった。このまま終了点まで登ってしまうかと思われたが、このルートはそう簡単に完登を許してくれなかった。最終より2ピン下だったかで力尽きてしまいテンションが入ってしまった。


                     

 外野からは惜しかった様に見えたが、その上部にもまだ核心が続くらしく「まだまだです」と言う本人の弁が正解なのだろう。

 朝から体調の悪いナオミンは今日はクマのビレー役に徹しており、TRでプロジェクトを触っただけで後はひたすらビレーと撮影係。上から石を落とされようと、大声で怒られようと、ロープで引きずり回されようと、ひたすら耐え忍んでいた。健気やな~。




 &写真も動画も沢山撮ってくれていた。健気やな~。サンキュウベリマチ。

 お久のカッパ先生は「クレージークラック」をオンサイトでトライしていた。ヘルメットがおニューに見えたが気のせいかしら。名張で12のクラックを登っている妖怪なので、クレージもなんのその、超安定した登りで完登していた。最後が泥でニュルニュルで落ちそうだったと楽しそうにおっしゃっていました。近辺にあまりないサイズのクラックなので貴重ですねとも。

 

                       

 私はTRでクレージとプロジェクトをお触り。クレージはようやく安定してきた様に思える。昨年このクラックでカム抜けを経験しているので、ビビりが入っているのは確かな気持ち。そうは言っても逃げ続けでは進歩も無い。次回はリードトライを再開しよう。

 プロジェクトはスタートから意味不明のムーブの嵐だった。超パワフルかつテクニカル。遠いガバから小さなカチに大きいカチ、そして締めには気だるいスローパーとホールドの見本市だよ持ってけ泥棒だ。

 下からクマちゃんがムーブを伝授してくれるのだが、そんなもの再現できません。頭の中に?が100回くらい点滅したが、私の繰り出す正解ムーブは0でした。ただ登っている最中に山桜の花びらが風に舞い花吹雪となり、とても素敵な景観の中、岩と戯れる事が出来たのは代え難い記憶となった。



 

 夕方近く、クマは2トライ目を出したが力が続かず、一回目より下でテンションをした。どうも1日に一度だけしか挑戦出来ない様だ。そんな厳しいクライミングもあるのだな。散る花びらを手に受けながらそう思った。

 このルートを巡る物語の終わりは、多分あとほんの少しだけ未来の事だろう。

















 

 

 

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