私の考える藤内壁のクラシックルートの一つに「ブーメラン」がある。このルート、かなり過去にTRで触っただけで、真面目に取り組んだ事がなかった。そんなふざけた私だが体が動くうちに登りたいと最近考えるようになった。
土曜日、重荷に喘ぎながら久しぶりに藤内壁まで上がった。一壁には既に取り付いているクライマーが数パーティいた。
フランケの天辺まであがり「ブーメラン」にTRをセットした。ルートが逆くの字なので要所にカムやヌンチャクで振られ止めをセットする必要があった。
アッセンダーではなくグリグリを使いながら練習クライミングをしたが、想像していた以上に大変だった。ロープを引き上げるのに腕がパンプするする。練習だからこれで良い?のかな。
休憩中、岩場やら対岸の山を眺めていると心が休まる。やはり藤内は良いな。対岸の国見尾根は緑の屏風だ。
レジェンドのS崎さんから「ナムサハスミダ」の左側に新たなルートが引けるとの話を聞く。肩を並べながら、あのクラックを掃除して、あのフェースを登ってなどと会話をする。74才だが前を見続けている人の話は面白い。
神様のM井さんからも道具の使い方などで注意をもらった。しみじみとありがたいです。
計3回練習をしたら何となくムーブも固まってきた。マスターは厳しいかしれないが、パートナーが確保出来た時にリードしてみたい。
昼を回り岩場に太陽が降り注ぎだした。暑い。夕方に歯医者の予約もあり、早めに下りる事にした。
テスト岩までくると、まだすこし時間もあるよと心の中の悪い私が囁いた。右肩も痛いがスラブならと「ハブチS」にTRをセットして1回だけ登った。これも何となく核心のムーブが半熟くらいに固まった~かな。
ロープを片付けていると、珍しくここの取り付きに前尾根から降りてくるパーティがいた。挨拶を交わすとペコナベさん達だった。P6で風に吹かれて寒かったので下りてきたとの事だった。顔を合わせるのは2回目だが色々とお話ができて良かった。
藤内沢を下りていると、ここでも知り合いに遭遇した。なんと「ブーメラン」初登者のS木君だった。練習に来た日に会うなんてこれまた奇遇だ。話をすると息子さんと一緒に「ブーメラン」をTRで登るのだとの事。最近はグルメに走り、腹がパンプ状態のS木くんだが、「ブーメラン」は良いルートだと言うと、「だろ~」と腹を叩いて喜んでくれた。
名クラシックを登ろうと思い立った、夏が始まる前の季節。「ナムサ」もあるし「オラージュ」もあるし「ダイヤモンド」の3P目だけも登りたい。バットレスにもあるのだ。
海を渡る蝶でもないが、近くて遠い目的地へ漂って行きたい。



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