君の友達は変な岩しかいないのか?と問われてるようだ。
今年は雪が多い。高い山とスキー場に雪が積もるのは良いが、里山まで積もると憂鬱になってしまう。ジムとゲレンデスキーもそれなりには私を癒してくれるが、静かな山に浸る時間の前では物足りなさがつきまとう。
3月を少し過ぎ、ようやく寒さも和らぎだした。庭のアジサイの芽も緑色の顔が覗いている。
山の岩を登ろう、山を走ろう。血管に変な電流が流れ始めたようだ。春先におかしな奴が出現する事も最近はうなずける様になった。
御在所はまだ雪なので、今はその麓のボルダーを登り、山道を走る事が楽しみ。
鈴鹿前山のネコを山ジョグする。自然歩道の階段地獄には腿が悲鳴をあげるが、道標を曲がると楽しい山道が待っている。急傾斜ではふくらはぎが攣りそうになる。60歳手前の身体は水分不足だ。フラットな個所では走ってもみる。何も話さない木々が伴走者になってくれる。頂上近くから脇道に入ると誰にも会わない。足元の落ち葉を踏み締める音だけが耳に入ってくる。
家に帰り、マットとチョークにシューズをぶら下げて再び山へ向かう。長年向かい合っている課題も進展があった。平日の夜にジムに行きだしたおかげか頭がハゲ頭。以前は見いだせなかった岩からの質問にも答える事が出来るようになった。簡単だが私の最適解はこれです、酒は冷です、星はプレアデス。
この岩場の良いところはその景観だ。花粉祭りの杉林内であるが、その樹間越しに見える対岸の山と空は美しい。大聖堂のステンドグラスの様である。懺悔をしながら岩に向かう数時間。
別の日。ツルツル渓谷緑の小部屋へ向かった。「ヴァカボンド亅と名付けたスラブボルダーで遊んだ。下地が悪いのでトップロープ課題ではあるが、その岩粒が与えてくれる動きは素晴らしく難しい。昨年は一歩目から何ともならなかったが、これまたジムのおかげか解決できてしまった。ワオ!である。
ただ二歩目以降も大変難しいので完登出来るのは一万光年の彼方であろう。
「ヴァカボンド亅の下にあるボルダーも少しだけ登った。大蛇の様な蔦が絡んだりしているが、整備を少々で適当に遊ぶ。簡単なものは解決したが、難しいものが宿題になるのは何時もの事。最後にトライした課題は足元の倒木が怖くてフィニッシュ出来なかった。
もう少しで山に上がれる季節になるはず。昨シーズンからの忘れ物を回収したい。大したクライミングはできないけれど、私の星がそこにあるはず。
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