砦岩 ハトと嵐

 

 今回もナベッチ達に混ぜてもらって砦岩。アプローチでA子さんと相棒ペアに遭遇して四方山話。藤内小屋でもお話を少々。ハトちゃんも何やら女子トークに花を咲かせていた。

 小屋でナベッチとまっちゃんが合流したら超大汗をかいて岩場まであがった。まだ暑さはあるが、木陰で風に吹かれるととても快適だった。

 ナベッチとまっちゃんはハトちゃんの「砦クラック」練習に注力をする予定だったので、私は以前に開拓した「ミルクティース」の再整備をすることにした。とても汚れやすいこのルート。誰にも見向きもされない不遇の割れ目である。そんな岩の中から小さな光を見出す事が私の唯一の得意技の様な気がする。

 懸垂の準備をしていると、フェースの人カズさんとその弟子マジコさんが岩場に上がってきた。マジコさんはお初だったが、聞くところによるとても熱心で異常に登り続ける人らしかった。

 灌木の終了点から懸垂をして岩についた苔類をワイヤーブラシで落とす、クラックに入った砂と落ち葉を掻きだす。大変ではあるが岩が少し綺麗になると少し嬉しい。

 下におりたら今度は登高器を使いながら一人TR状態で岩掃除&ムーブの再確認をした。やはり核心のハング越えは難しい。もう少し涼しくならないとムーブが出来ない……と思っていた。しかーしその後、味見程度で取り付いてもらったナベッチはノーテンで登っていってしまった。私とムーブが違うゼヨ。お次のまっちゃんは私の期待通りにビョーンとロープにぶら下がってくれた。君は良い男だね。TRとはいえ汚いクラックを登ってくれて二人ともありがとサンキューでした。

 2階に戻るとハトちゃんは練習の真っただ中。ハトだがピョーと叫びながらクラックに懸命に取り付いていた。でも彼女、2週前は途中敗退だったが今は終了点まで到達出来るようになっていたのは進歩である。昨日のハトを今日のハトは越えていたのだから。




 そんなハトちゃんの横をマジコちゃんはすらすらと岩を駆け上がっていく。噂の彼女は噂通りだった。身体能力が高いこともあるがムーブの解析力が高いのだろうか。多分頭の中はクライミングに対する欲望の嵐が吹き荒れているのでは?

 お昼にはナベッチからまたもや爆弾ゼリーの差し入れをいただいた。今回はブドウ味。うっすら感激の涙を流してしまった事はここだけの秘密である。

 砦岩は今日も貸し切りなので好きなルートを選ぶことが出来る。カズさんたちが「三毛猫」を登っている間にまっちゃんにビレーをしてもらって「ジャンプ」を登ってみた。ボルトが古くハンガーが回転する箇所もあるでの少し注意が必要だ。欠けそうなホールドのフェースからスラブを登る。右カンテが使えるのでありがたい。ただ自分としては小難しいスラブを登るにはまだ気温が高いので、気が付けばヌンチャク状ホールドをガッシと掴みA0で突破していた。終了点に借り物のクワッドシステムのスリングをセットしたが、どうやら方法が間違えていたみたいでまっちゃんに直してもらった。知らない事はまだまだあるニャー。







 そうこうしていると、ハトちゃんは露天風呂に入りに早めの下山をしていった。スケジュールが超過密な鳥である。おじさんには真似できないニャー。

 お次は「三毛猫」と「ドラ猫」で遊んだ。私は「ドラ」をトライした。下部は何とか…らしいムーブを作ることも出来るが、棚ガバからの遠い一手が私にはどうにも出来ない。カズさんも色々試すが解決には至らず。フェースの人でも歯が立たないので、私に叶うはずもない。歯は立たないが屁は出るけどニャー。





「三毛猫」周辺にいると語尾がネコ語になるのは新たな発見だった。ナベッチは「三毛猫」をノーテンで抜けることが出来たので、フレッシュ時にリードでトライする予定らしいニャー。

 この時点で16時近く。もう帰る時間と思いきや「次は何登りますか」目をランランと輝かせてマジコちゃんが呟く。「本当だ帰らせてもらえないんだ」と私は噂の真相を目の当たりにした。真実は小説より奇なり。8月終わりの砦岩には小さな嵐が吹き荒れていました。

 多分?締めのルートは「コブラツイスト」になった。私は下山するためにザックを背負っていたが、マジコちゃんがリードトライするというので背中を軽くして観覧させてもらった。マジコ離陸。ボルトを使ってのリードだったがコブラは中々に手強く、エッジに手がかかりやすい位置まで高度を稼ぐことが出来ない。ジャムも上手く効かせられない様子。そしてロープにぶら下がった。マジギブだ。



 

 次にマジコの敵討ちとばかりナベッチが行った。大型カムをぶら下げてクラックに手をねじ込む。4番5番とキャメロットをセットし、むんずと掴む。とりあえず抜ける事が目的なのでカムとボルトにとミックス野菜ジュースで高度を上げていった。2本目のボルトにクリップしてからはスムーズに登っていき、少し間をおいて終了点到達のコールが聞こえた。何が何でも登っていくのでこの人も大したものです。




 TRをセットしてナベッチがロワーダウンしてきた段階で私はマジ下山をした。多分ほかの方はホントウに暗くなるまで登っていたのではないかと推測する。

 山道を歩くと虫が寄ってきて煩かった。まだ夏の気配は濃厚だが、耳元には秋の声も聞こえてくる。もう少し気温が下がれば、難しいクライミングにも挑戦出来ると思われる。今日もナベッチや若い方のおかげで楽しくも刺激をもらえた。家に帰ってカムをジャラつかせながら惑う晩夏の一日。登りたいルートに登れないルート、沢山あるでござる。
























 

 



コメント

  1. ペソ総督と尻会えたおかげで、岩活動が大変充実しております。ありがとうございます。
    ミルクティースも、大変面白いルートでした。開拓素晴らしい!以前このワイド登れるかな?って見ていた場所です。上部のスラブで少しズリってしまいましたので、ノーテンではないと思いますだ😆私は能天気野郎でございます。まだまだ登るぜ!野郎共!でございます。大変お強いペソ総督。また宜しくお願いします。

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  2. いやいや私なぞバルカン砲乙女の足元にもおよびません。単独活動ばかりでは飽きがきていた今日この頃乙女とそのお仲間のおかげで岩登りが久しぶりに楽しく思えてきております。
    今後ともごひいきに。ドリル担いでね(⋈◍>◡<◍)。✧♡

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