秋分の日。最近急に涼しくなった。窓を開けたら秋、そんな気分。
今日はナベッチ、パールさん、プーさんと御在所。私の膝が悪いので近場のうさぎの耳で登る事にしてくれた優しい皆さんに感謝。
顔を出したてのタマゴタケにほっこりしながら集合の藤内小屋に着くと先着の三名は全力休憩中だった。
小屋の常連K林さんとプーさんの会話を聞くと、どうやらプーさん仕事を辞めたらしい。本当にプーさんになってしまうのかと危惧したが、どうやらヘッドハンティングを受けての転職で次の仕事も決まっているとの事だった。仕事出来プーさんだったのね。
小屋からうさぎまでは歩いて少し。ここで登るのは何年振りか忘れてしまったくらい久しい。
まず「ウェイクアップ」を登ってみることにした。10aなれど難しかったセピア色の記憶が脳裏によぎったが、リードでやってみた。
テラスまでは難しくはないが、気も抜けない。テラスに立ち凹角にマイクロカムを複数セットした。ここで適当な事をすると後で泣きを見るはず。何度かアップダウンをしてから意を決してガバで思いっきり体を引き上げた。上部の凹角内にカムをセットすると少しだけ安心できるが、アップの足りない前腕がパンプし出した。足を見る事もおろそかになってしまい、パンプも激しくなってきた。弱気に負けてテンション。
一度してしまうと後はテンション各駅停車。急行列車のチケットは何時までたっても買えやしない。プーさん長いビレーサンキューです。
何とかTRをセットしてロワーダウンしてくるとナベッチがおはぎと熱いコーヒーの差し入れをくれた。秋の彼岸だからそうだ。あんことカフェインが染みるね。
TRでナベッチ、パールさん、プーさんと登ったが、このルートを登るうえでやはりテラス上でのムーブが大切らしかった。ただ登るだけとカムセット&ロープクリップしながら登るのとでは大きな違いがあることを確認できたそうです。ナベッチは次の目標ルートをこの「ウェイクアップ」にした様だ。目覚めの時はすぐそこかもしれない。
プーさんが苦労してセットしてくれたTRで「ビックウェンズデイ」を練習した。やはりこのルートは難しかった。そうそうこんな感じだったと少しは身体が覚えていたが、だからといって動けるはずもない。私には最後の丸いホールドから水平クラックを取りに行くムーブが丸出駄目夫。他の3人もワーキャーと登っては爆裂していた。とっても難しくてとっても素敵なルートであることは間違いない。
休憩時にはプーさんはカールにエクレア、パールさんはドライマンゴーなど皆さん沢山の差し入れ三昧。私からはプルプルウレウレの💋を差し出す事ぐらいだった。
あとパールさんの靴下が非常に可愛い事が気になった。どこで買うのか、山の靴下でこのチョイスをしてくる人を私は今まで知らなかった。これはパール七不思議の一つだな。
途中で上手なご夫婦ペアが「ビックウェンズディ」に参戦されたので、その登りを眺めながら贅沢な時間は過ぎていった。このご夫婦は奈良の方で軍曹のお知り合いの方たちだった。強力なコミュ力を持つナベッチは、おはぎなどの差し入れをしながらお名前を聞き出したりしていた。そのうちご本人の知らないうちに真珠鍋熊所属山岳会の入会させるのではないか、とか摩訶不思議な壺を売りつけるのではないかとスコーシだけ心配した。
この場所はとても目立つので下山途中の御在所神様も覗きにきた。ナベッチは神様にもソーセージなどの差し入れをしていた。おおっ神様にも壺を売りつけるのか、全く営業の鑑だと感心するやら驚くやら。でも神様にお供えするのは特別なことではないと、しばらくして気が付いた私は全く気の利かない男である。
満腹になって満足した神様は、登りはどうでもよいので取り付き周辺を小ざっぱり綺麗にしておくようにとの訓示を残して去っていった。泣く子と神様には逆らえないし、何故か私はいつも鋸を持っている男である。返答はアイアイサーしかない。
今日はまだ最後にデザートが残っているので頃合いをみてとりあえず藤内小屋まで下山した。というかこの時点でもういい時間ではあったけど。
小屋では小屋主は水戸黄門のTVに夢中なのでK林さんが相手をしてくれた。ダベリの中でこれ食えと差し出してくれたのは沢山のイチジクだった。一応女子の二人はイチジクが大好きとの事で喜び全開で色とりどりの実を平らげていた。本デザートの前のデザートだな。
そして一本だけだがタマゴタケの差し入れもくれた。見事な成菌だった。これはナベッチの今日の夕食になる運命となった。机の穴に差し込まれたり弄ばれるキノコ。生まれてくるときには思いもしない激動の運命である。
小屋での休憩の後、本デザートへ三人を案内した。それは知る人は知るが知らない人は知らないルーフクラック「エスパー」だった。
初めて「エスパー」を見る三人は驚きの声を隠さなかった。汚いけど圧倒的、こんな所にこんなクラックが、しかも足元はヒルまみれ。よほどの物好きでないとここでは遊ばないぜ。どうだ教えてあげた私に感謝しなさいと押し売り気味に言う言葉に三人はうなづくだけだった。
ここでもプーさんが支点を作ってくれた。彼は何かにつけ皆の世話をやく良い男である。もうすぐ九州に旅立つなんて信じられない。ククク。
既にハーネスを外した私は下地整理にいそしんだが、他の三人は交互にクラックに挑んでは花と散っていた。口々に「難しい」「ジャムが効かない」と嬉しそうに言っていた。ゴウカキで掃除をしていた私の口がニヤついていたことは誰も知らないだろう。
沢山遊んだので下山。朝見つけたタマゴタケは誰かに持ち去られた後だった。
別れ際、明日は瑞浪で岩と言うパールさん。そのエネルギーはあの謎靴下からもたらされているのでしょうか。明日も岩と言う嬉しそうな顔を見て、後ろから蹴っ飛ばしたくなった衝動を抑えることが出来た私。我ながら大人になったものだ。
夜ナベッチから写真が送られてきた。私は思わず叫んでしまった「THEシェフ~」
昼の弁当との差に驚くしかなかった。(弁当の写真は本人の名誉のため割愛)そういえば天気予報も言っていたっけ、秋なので朝夜と昼の寒暖差に気を付けてねと。鍋飯も同じく寒暖差があるのだろう。そんな事にも季節の移ろいを感じる私はとても繊細な人間である。












秋の夜長に冴えた文章を拝読させて頂きました。楽しみのひとつになってしまっております!
返信削除今回もありがとうございました。
もちろん神様にはお供えでございます。かさこじぞうの教訓でもありまして、見返りを求めない崇拝ですぞよ。美味しいものは皆で食べれば美味しさ倍増です。ただただそれだけでございます✨
これできっと次回は目覚める事ができるってもんです(アレ?求めてますやん?w)
毎回笑いの絶えないクライミングをありがとうございます。
削除お供え物は大切ですね。目覚めるかもう少し寝るかは自分次第でございます。✌