この前に謎道の岩場へ行った際に、登れそうな岩を見つけた。
そう大した岩ではないが、頭の片隅に残っていた。登れるか登れないか、面白いか面白くないか。触ってみなければ分からない。ボロい岩にも五分の魂。天気も悪いが山を歩きたい気持ちもあったので出かけてみた。
歩き出しは雨降り。ビニール傘をさして重荷にあえぐ山道。10月中盤とはいえ気温も高いのか急登に汗が噴き出る。
小休止を入れながら「オールドソング」のある岩に到着した。雨はあがり風も吹いているので、露出した岩は乾き始めていた。
準備をして、すぐそこにある岩を懸垂で偵察した。
思ったラインのすぐ左側に太い木があり、とても邪魔だが何とか登れそうな雰囲気。一人TRで登高器に切り替えてムーブを試しながら掃除をした。
スタートはハングになっており、そこを抜ける箇所が面白そうと目安をつけていたが、岩がものすごく脆く、触る箇所からボロボロと崩れてくる。
何とか掴めそうなホールドからハングぬけのホールドに左手を伸ばしてみたが、ハングで体が剝がされてしまう。試しに右手をジャムをしてみるとこれが正解だった。抜けのナイスなホールドに左手が届いた。快感だ。今、私は誰も触ったことにない岩と遊んでいる。
が、そこからも難しかった。足元が脆いのと隣の木が邪魔でムーブに制限が入る。試行錯誤して何とか天辺に抜ける事が出来たが、思ったより難しいムーブが連続して嬉しい誤算だった。
昼になったので静かな岩場でランチ。私に似合わずデザートを持参したので写真を撮ったがピンボケとなってしまった。魔法瓶にお湯を入れてきたのでカフェラテなどを飲んで長めの休憩をした。天候も回復してきて僅かに青空も見える。小鳥が歌を歌いながら追いかけっこをしている。時折砦岩から女性のものらしい可愛らしいコールの声も聞こえてくる。
ザックを枕にまどろむまどろむ。
午後からはすぐ隣にあるクラックが走るフェースを整備してみた。斜上するラインを考えてみたが、下地が斜面なのでスタートをどこにするかが悩ましい。結局百日紅らしき木に立ってスタートしてみたが、下部は濡れて何も出来ない状態だった。少し上がると岩は乾きホールドも出来たがかなり難しかった。
クラックは細く、ジャムとカチ持ちを混ぜて使った。濡れている事を差し引いても結構な難しさではないだろうか。そして抜けはガバホールドになるがボロボロに風化している。登高器を使ってるのでどうにもならない箇所はパスしたが、これまた思った以上に難しい岩だった。
2本整備すると身体はクタクタに疲れてしまった。ただどちらも面白い課題だったので、良しとしよう。
荷物を片づけて本来ならば下山するのだが、今日はもう一つ目的があった。ここ謎道から砦岩アプローチ道へのトラバース箇所を明確にする事だった。岩場から道を少し上部に辿り、適当な箇所で北側を覗いてみる。ジャンダルマがかなり下方に見えたので登りすぎだ。少し降りて藪を漕いでガレ沢をトラバースした。結局はっきりとしたポイントは分からなかったが、何となく場所は分かったかな。
砦からはまだコールの声が聞こえてきた。頑張る人達だと思いながら下山をした。後で分かったがコール主はナベッチ達アマゾネス4人組だった。そりゃクレイジーに登る訳だ。前述の可愛いは間違いで逞しいが正解だった。
秋本番。食欲の秋と言うが、先日焼き肉を食べたところ強烈に下痢を起こしてしまった。
柿食えば鐘が鳴る鳴る法隆寺、肉食えば腹が鳴る鳴る六十路前。クライミング能力だけではなく消化能力も下降気味の私。ふとすると岩登りへの意欲さえどこかへ去っていきそうだ。
南のうお座の一等星はフォーマルハウト。涙目で次の岩を模索する秋の深き夜。



お腹は降っても、まだまだ岩をさわれば血湧き肉躍るお年頃でございますよw
返信削除静かに岩と対話するお姿が想像できて麗しい限りです。
腹がゴロゴロ鳴っても、何時までもゴロゴロと転がり続けたいと願ってやまない禿げ頭でございます。
削除