天下峯で登りましょう

 

 初登りではないが天下峯で岩登りをしてきた。同行はナベッチとタケさん、現地でパールさんとまっちゃんと合流しての計5人だった。

 早朝出発なので下道で岩場へ向かったが、車中の鍋劇場によるとナベッチはパールさんをライバル視しているみたいだった。本人は否定していたが、追いつき追い越せ引っこ抜けの精神でしょうか。またナベッチとまっちゃんは今日で4連登との事で少し驚いたが、たぶんまっちゃんは鍋嵐の被害者と思われる。

 朝の岩場は薄曇りで寒かった。アップにどれ登ろうかと話しているうちに、他のパーティがそれらのルートを登り始めてしまったので、いきなり「北北西」などのある難しいスラブを登る事になってしまった。

 とりあえず「北北西」と「パントマイム」にTRをセットして全員で登ってみた。パールさんは「北北西」狙いらしく気合も入っており、精度の高いクライミングをしていた。あとの者は団栗の背比べで皆さん朝一の粒乗りに四苦八苦していた。私も全くお話にならない、「パントマイム」の二歩目で敗退し、「祝浪人」の下部と「パントマイム」の上部をつないで苦しむのみ。いきなり本日終了のゴングが耳の中で鳴っていた。


                                           

                                           


 同じラインでタケさんもアップしたが、隣の岩を巧みに使い登っていた。それは反則ではないかと問うと「この岩を使わななければこのグレードにならないですよウヒヒ」と返答してきた。確かに私もそう思うよウヒヒ。

 全員でアップを越えたオーバーアップを終えると時間はもう昼前になっていた。とりあえず広場に戻りお昼ご飯を食べる事にした。何時もの鍋コーヒーやらみんな持ち寄ったお菓子を分配するやらで和やかタイム。ちょうど日も差してきてポカポカと気持ちが良かった。

 私は「やぶつばき」を登りたかったので午後からはクラックの時間となった。めったに使わないキャメロット#7をこの為に持参してきたが、パール情報によるとワイド慣れした人は#6で登れるとの事だった。

 心が揺らいだが#7をクラックに差し込むとジャストフィットだった。慣れてないしミーハーだし鰹出汁と言い聞かせて自分に甘く#7を使って登った。過去にTRで登っているので新鮮味はないが、やはりリードクライミングはきつい炭酸水みたいに気持ちに刺激が入る。ズリズリして7の次は#6を入れてズリズリ。さらに上がって右壁のクラックに手が届いた。0.75を入れてバンドに立ち、最後はフィンガークラックにトーテム黄色を入れて終了点へ抜けた。簡単なワイドだが登れてうれしかった。


                                                    
  


 次にタケさんとナベッチが登ったが、二人ともワイド達者なので#7は使わずに登っていった。タケさんもナベッチもTスタックなど足技を巧みに使うので見ていて大変勉強になった。この辺りのワイドテクは私には全く身についていない。クラッククライミングはとても奥が深いのである。


                                                   

                                                               


 お次は「天下」だ。パールさんがセットしたTRで全員がワークした。皆さんはしっかりとクライミングをしていた。まっちゃんは帽子を脱ぎ(髪の毛フサフサ羨ましい)、タケさんは眼鏡を外し、ナベッチは血まみれで各々気合を入れ登り、見ていなかったがパールさんは秒で登ってしまったらしい。

  私は全く歯が立たなかった。以前にもTRで練習をしているが、このクラックはとても難しい。チキンウィングは何となく分かるが、足のきめかたが全く分からない。手も足も出るがきめることが出来ない。「下ろしてください」と頼んでも鬼パールさんが「もう一回やってみたら」と容易には許してくれなかった。もうギブアップアップです。

 タケさんは過去にこのクラックをリードしているとの事だった。流石漢タケさんだぜ〼〼尊敬いたします。


                                               


 気が付けば午後もおそくなっていた。最後に「おたまじゃくし」と「雨蛙」にTRをセットして登った。聞くとタケさんもパールさんも「おたまじゃくし」をリードで登ったことがないと言う。二人のクライミングを見ていると、信じられない話だったがどうも本当らしい。タケさんなんか「登れる気がしませんウヒヒ」と言うし。

 実際にタケさんの登りをみていると指がクラックに入らない様子だった。ドレドレ仕方ないなー見本をと私もやってみたが、あれ?こんなはずではとテンションテンションテンションを入れてしまった。自慢ですがこのルートは過去にオンサイトしている。しかしテンションテンションテンションで何とか終了点へ抜けることしか出来なかった。それもこれも実力というやつでしょうかね悲し~。

 その後「雨蛙」側に移動してパールさんのビレーをした。パールさんはNRを登っていったが、最後は右カンテに逃げずに直上していった。鬼真珠は曲がったことが嫌いなのだろうか。


                                  


 夕暮れが目尻をかすめる時間になったが、私が涎を垂らしているのを見てパールさんが「雨蛙」を勧めてくれた。支点回収もまっちゃんがストップしてくれた。ありがとうございます。

 パールさんのビレーで取り付いた。スタート核心は分かっていたが、何が難しいのか何時ものごとく忘却の彼方だった。カチガバを両手で掴み右足で壁を蹴って左手を一つ上のガバに飛ばす、さらに一つ上の縦ホールドを右手でキャッチし、かつ有効にきかせるムーブがとっても厳しかった。ここが核心かな。四苦八苦テンション全開でスタートホールドに立ったら一息つける。ここで降りるつもりだったが、パールさんが上まで登るようにソフトリーに命令してきたので頑張って終了点まで楽しませてもらった。「雨蛙」は最初から最後まで厳しく気の抜けない好ルートであることは間違いない。




  片づけて広場に戻ったら私たち以外は誰もいなかった。今日も一日よく遊びました。


                                

 帰路は高速を使った。後部座席の私は鍋劇場を聞きながらいつの間にか寝落ちしていた。

 新年早々のクライミングは何時ものごとく低空飛行だった。だがそういうものだろうと諦めている自分とそうでない自分がいる。たとえ明日世界が滅びようと今日私はリンゴの木を植える。身体は枯れつつあるが、心だけは何時までも瑞々しくありたい。










 

コメント

  1. あかんあかんー(〃ω〃)訂正しておきます!ライバルなんて烏滸がましい!レベルが違いますー。が、ほんと私にとっては数少ない大事な岳友で、彼女がいるから私も頑張れるんです。敢えて言うならば目標です!ライバルではございませぬ⭐︎
    そして、今回も最後の締め括りがロマンチックで、素敵でした!

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  2. 目標があるなんて素敵ですね。ライバルではない旨了解いたしました。

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