花は咲けども、緑が山を駆け上がれども風が吹くとまだ山は寒い。
先週、天気も下り坂だったので、高度は上げずに北谷近くの岩で遊んだ。春先はパリパリだった岩も、苔で緑色に染まり水も滴る良い岩になっていた。
ご一緒したタケさんは新調したワイヤーブラシで苔を落としてご満悦。そうそう、誰も訪れない岩にはワイヤーブラシは必需品であります。
個人的にこの岩場で自然に感じるラインは一番右側。晩秋の頃に真剣トライしてみてみたい。
この岩の右側のスラブにもルートを引ける可能性を感じた。掃除は大変と思うが朴念仁の楽しみには良いかも。
今週も天気は曇りだったので、藤内小屋に集合した迷える子羊達を砦岩の一階に案内してあげた。
普通人の二階、通の一階、変態の地下一階と砦岩を説明する時に私は言う。今回は子羊を通人に仕立てようとの腹黒い魂胆が見え隠れ。
さて何をやるか? すると、元気のあるうちに「ラストスイーツ」をやりましょうとタケさんからの提案。しめしめタケ子羊が通への第一歩を踏み出してくれましたね。
「アペリチフ」を登って「ラストスイーツ」へTRをセットした。クラックに何時ものごとく落ち葉は溜まっていたが、岩は良く乾いていた。
私がTRをセットしている間に隣の「オードブル」にまっちゃんとナベッチがトライししていた。グレードは低めでも気の抜けない好ルート、ちなみに私もRPはしていません。
うろ覚えで言った私のアドバイスでまっちゃん、タケさんは大ハマり。正解ムーブが判明した時の子羊達の非難めいた視線が毛の薄い頭皮に痛いのなんの。二人で2ピン目まで到達してくれた。
次にナベッチも頑張って3ピン目まで到達した。全員でルートを伸ばしていく、所謂極地法という高度なテクニックだ。ほんまか?
残る人員は私だけ。「終了点まで回り込めますよ」との私の言葉も「いやいや下から行きましょう」と却下された。
仕方がないのでロープを結んで取り付いた。終了点まで到達するのが私の任務なので、ヌンチャク掴んでA0で3ピン目まで登った。ここから4ピン目までは少し遠いのですよ、涙が出ちゃう。
ただ私は他の三人とは違い、ルートの概要を知っているので、涙くんにさよならして小さなホールドにつま先をかけながら登った。ピンが遠いのはムーブが簡単だからとはクライマー諸氏は言う。確かにその通りだが怖いものは怖いんです。
4ピン目にクリップしてカンテのホールドをキャッチ出来たら後は難しくない。無事終了点へ到達出来た。ここでもドラゴは良い仕事をしてくれた。
気が付けば12時を回っていたので、和やかランチタイムになった。GWの話などであれこれと盛り上がったが、天気がイマイチいやイマニ、いやイマサンである。
お腹がいっぱいになったところで本日のトライタイム。ロープを引き抜いて「ラストスイーツ」へリードトライをした。
タケさんのビレーでテイクオフした。脆い下部とハング下の立込みで地味に力を吸われるのは毎度の事だが慣れない。もげそうなガバに立ち、レストをしてもフックしたヒールがジャリジャリ音を立てて外れそうで気が抜けない。気持ちを固めてハング上ボルトにクリップして身を宙に蹴りだす。良いホールドに右手を伸ばすが遠い届かない。あと少しだが届かない。情けなくテンションした。全くスイートでないぜ。結局2テンで終了点まで抜けた。名前通りではないこのルート、でも私スイーツ好きなのでまたトライするわよ。鍋カフェのチョコラスクをモグモグしながらそう誓った。
皆さんは「オードブル」でワイワイ楽しんでいるので、その次のお楽しみ用に「狸の散歩道」へTRを張りに行った。
回り込んだ終了点上のテラスには、相変わらず崩壊した石が転がっているが、時間が経ち落ち着いてきた様にも感じた。
懸垂で終了点へ降り、TRの工作をしたがロープの入れ替えに失敗してセットするまでにかなり疲労してしまった。ロープも頭もこんがらがってしまう状態、所謂コングラッチュレーションだ。
最後の仕上げに全員で散歩道を楽しんだ。タケさんは隣のクラックから進入、そっちは違うルートだと説明しても「イヒヒクラック好きなもんで」と誤魔化してくる。悪い大人だ。
まっちゃんは、リーチがあるのでこのルートはお得なはずだが、指の痛みか仕事の疲れかはたまた「オードブル」で瀕死となったか、もがき苦しんでいた。
ナベッチは「ウォ」「ハッ」と気合十分でしがみ付いていたが、いかんせんリーチがないのでこのルートはかなり苦しそうだった。女性でこのルートRPした人がいると伝えると「凄ーい」と驚いていた。そうです、だから練習すればあーたも登れますよ。
片づけも兼ねて最後は私が登った。このルートも青い初体験は遥か昔に終わり、熟熟焦茶色の私なので、新鮮な驚きはないが、やはり自然の妙を深く感じた。ここをこうしてああしてこんな事してホールドすれば嬉恥ずかし体が上がっていく。考えて感じれば道は開くはず。
砦岩には面白いルートが沢山ある。二階も素晴らしいけどそれに飽きたら一階も味わってみてはいかが。お付き合いいただいた三名も通の楽しみを感じていただけたでしょうか。
下山は藤内小屋経由。小屋主とおしゃべりタイムも山の味。GWは小屋は大盛況らしいく、主の顔もにやけていた。そのうちに小屋がホテルに建て替えられるのでは。
そろそろ黄金週間が始まる。目に青葉、山ほととぎす、岩が好き。緑の下、白い岩の粒を掴んで乗り込む季節がもうそこまで。






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