おばれクラック&ジャンダルマ

 

 妖怪と珍獣の朝は早い。日曜日は久しぶりのカッパ先生とアナコンダO型さんとクライミング。待ち合わせは朝の6時に裏道入口だよおっかさん。

 カッパ先生も最近は足の不調が続いている様なので、今回は近場の岩をセレクト。噂に聞いた中道にある「おばれクラック」から砦岩への珍道中プランとなった。

 裏道から中道へと歩くだけで汗が吹き出し、全身べたべたで岩場へ到着した。「おばれクラック」は本当に登山道の横なので、準備していると山道を歩く人から「これを登るんですか」「へー凄いなー」などのエールを頂戴出来る。集中力を維持する事がこの岩を登る為の第一のポイントだ。

 風が抜けない場所なので準備をしていると虫が寄ってくる。何か所か蚊に刺されました。しかも目の前の岩はどう見てもテラテラと濡れて輝いて見える。

 先生にリードしますかと問うと「そんなの当たり前田のクラッカー」と私でも昔懐かしCMでしか聞いたことのない返答を頂戴した。妖怪だから人とは時間の感覚が違いますね。

 凡人の私と珍獣のO型さんはまずTRで登る事にした。

 クラックをチェックしカム入念に準備して先生がテイクオフ。一段上の棚に上がった段階で岩の詳細な状況が先生の口からもたらされてきた。「ベトベトですベトベトです」 いわゆるベトベトの2乗なのですね。

 下部クラックは細いが要所が広がっていて、そこにカムをセット出来る。濡れたクラックもなんのその、名張で鍛えたテクニックで先生は登っていった。しかし核心はその先生さえも打ち砕くような仕打ちで待ち構えていた。注)私はビレーしていたので先生の気持ちに成り代わり適当に書いています。「クラックが浅くて脆いぞ、なにくそ、足も滑るぞなにくそ、ハンドジャムが出来る箇所が目の前だ~!あと50cmくらい~しかーし、残念だがテンションだ。ガックシ↓」たぶんそんな気持ちだったと思われます。




 核心を越えた上部クラックは幅が広がり、一見だと快適ビクトリーロードと思いきや、結構難しくらしく先生も苦労しながら終了点へ到達していた。

 先生がセットしてくれたTRでO型さんと私も登ってみた。普段クラックを登っていないO型さんは1回目は途中でギブ。2回目は「マリ!マリ!マリ~!」と叫びながら何とか終了点へ抜けていた。注)マリはアナコンダのガールフレンドのお名前です。




 私も計3回登らさせていただきましたが、とても良いクラックだと思いました。フィンガーからフィストと盛りだくさんの楽しい割れ目です。私は今回上部クラックでちょっとした足使いを勉強する事が出来ました。脆い箇所は沢山の人が登れば安定すると思われます。クラック好きならば是非登るべきルートです。ただし上部か背面からか湿気が滲みだしてくるようなので、登るのならば乾燥した季節が良いと思います。

 先生はその後2回目のリードトライをしたが、妖怪超絶テクをもってしても濡れクラックをRPする事は出来なかった。こんな状態でリードする先生の気持ちの強さに感服しました。

 昼になり「おばれクラック」は満足したので砦岩へ移動した。また大汗をかいてしまったが山歩きも楽しいものです。

 砦2階に到着するとまっちゃん、ハトちゃん、アルパカちゃんが居た。どうやら「上昇気流」あたりで遊んでいたみたいだった。

 私たちはそこから「ジャンダルマ」まで更に移動した。雨の多い季節に独立した岩峰のこのルートは、乾きもウルトラ早く救いの主だ。

 この前のトライで2ピン目のヌン掛けが出来なかったが、そこは深く考えずに今回もマスターでトライした。

 O型さんにビレーをしてもらいスタートした。岩の台座部もよく乾いており快適。頑張って2ピン目もヌンチャクをセット出来た。「よし」と思った瞬間にスローパーから左手がはじかれてしまいロープにぶら下がってしまった。しかも自分のハーネスをよく見るとZクリップもしていた。アララ今回も失敗だった。

 気を取り直し上部スラブへ突入。最終ピンをクリップしてからのムーブも今回は落ち着いて出来た。リードで終了点まで抜けたのは初めてだったので、プチ嬉しかったのはここだけの話。




 その後、2階からまっちゃん達も降りてきて全員で「ジャンダルマ」で楽しんだ。先生以外はTRで、先生は当たり前田のクラッカー2回目で言わずもがなリードトライだった。

 先生のトライは最終ピン上で進路を誤り、惜しくもオンサイトを逃したが、ロワーダウン後にこのルートの特徴を的確に説明してくれた。「5級のボルダーの上にスラブがのっかっているみたいで色々な登りが楽しめる良いルートです」 そうそう私も何となく面白いと思っていましたが、上手く説明出来ませんでした。うん百年生きた妖怪の言葉は含蓄があります。




 夕方になったので、荷物を片づけて下山。新鮮な山水で手を洗うべく藤内小屋まで降りることにした。

 日曜日夕方の小屋前は沢山のクライマーや登山者でにぎわっており、普段静かなクライミングをしている先生は驚いていた。中尾根に行っていたナベッチも居たので、おそらく賑やかの原因の半分はほぼ奴です。

 暑い一日だったが本日もとても楽しく過ごすことが出来た。場所を選べばまだまだ御在所でのクライミングは楽しむことが出来そうだ。しかし汗みどろになるので飲み物は沢山必要です。多分3Lくらいは持参した方が良いのではないでしょうか。だって夏がすぐそこでこちらを覗いていますから。










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