テレビからは「毎日暑いです」の声。だからどうした夏だもの。
土曜日も重いザックを背負って山の岩へ。先週居心地の良かったバットレス北面にナベッチと上がった。
ただでさえガチャで重いはずだが、ナベッチはワークマンで購入したバズーカ砲の様なクーラーボックスまで背負ってきた。そして道中で会う知り合いクライマーにクーラーから冷凍ミカンの配給をしている。一体何者なのか。妖怪配給女と出会えた方はラッキーです。
本日はクライマーの姿も少なく静かな藤内壁。岩場は風が吹き快適だが、先週よりは少し暑く感じた。
どの様に登るか会話をしながら準備をした。まず「セプテンバーレイン」にナベッチがオンサイトトライすることになった。リードかTRかと葛藤していたが、それもクライミングの一部と思います。
ルートの下部は左のクラックラインからとした。正規のラインは右のフェースからの様だが、ナチュラルプロテクションを味わえるし、こちらの方が少し易しいかな。
カムをぶら下げナベッチがスタートした。始めの部分は、限られた指が入る箇所を上手くつなぐ必要があるが、リーチの関係か何かジタバタとしている。ロープに足がかかったりと何かと忙しい。そうこうしているとズリズリと落ちてきた。トーテムカム止めてくれてありがとう。ナベッチはその後も力が続く限りトライしたが、ズリズリズリズリズリと残念ながらここを突破できなかった。
「うぇーん3回も落ちました」と嘆くが、それもまたクライミングの味と書いておこう。すいませんちょっと生意気ですかね。
バトンタッチして私が登った。終了点のマントル手前で落ちそうになったが何とか完登出来た。先週も登っているのでその辺はゆるしてちゃぶ台。
ご褒美にナベッチがバズーカ砲の中からパピコとコーラをくれた。溶けかけのパピコは中々暴れん坊である。封をあけるとビュワーと中身が飛び出てくるゾ。危なくパピコ顔シャワするところだった。初めての経験、また一つ大人になった私だった。
そうこうするうちに遅れていた、まっちゃんも到着した。髭を剃ってさっぱりしていたが、それも暑さのせいだそうだ。いわゆる夏毛にチェンジしたのか。
まっちゃんが準備している間にTRでナベッチが登ったが、スタートでまた落ちてきた。「うぇーんびえーん4回も落ちた」と嘆く。うむ、それもたぶんなんだかクライミングだろうよ。知らんけど。
リーチのあるまっちゃんはこのルートはそう問題なく登って行ったが、最後のマントルは怖かったそうである。今度はリードしてみようね。
ランチタイムの後は私が「オーバーザレインボー」にRPを目指してトライした。下部はクラックから入り核心に挑む。1ピン目が結構高い位置なので、予備的にクラックに0.5をセットしてピナクルに立ちこんでクリップ。さあ行くわよと足を高くあげてレイバック…怖い…怖いわよ…テンションです。私の意気込みは次元大介の早打ちより早く砕け散った。仕方がないのでヌンチャクを掴んで抜けホールドをキャッチし2ピン目のクリップを試みたが、ここのムーブが悪かった。手はガバだが足を上手く置くことが出来なかった。強いクライマーなら問題ないのだろうが、下ネタくらいしか特技のない私には困難だった。落ちました。この位置で落ちると下手をするとピナクルに激突するのでご注意を。
先週に引き続き、忍法スリングあぶみでとりあえずルートを抜けた。今日は右隣の終了点も使い「アメリカンフィーリング」の上部クラックも触れる様にTRをセットした。
ナベッチとまっちゃんもそれぞれ1回づつ「オーバーザレインボー」を登ってヒーヒーと叫んでくれた。「もう1回登りますか」と問うと、1回で十分とのお言葉。全く奥ゆかしい性格である。
ラストは私。目論見では「パズル」の下部から「アメリカンフィーリング」のクラックにつなぐつもりだったが、これがとんでも天地茂。「パズル」のホールドの悪い事悪い事。11dのグレードがついたルートは激ムズだった。仕方がないの夏毛まっちゃんに無理をいってロープをごぼうで登ってクラックにたどり着いた。最近誰も登っていないであろうクラックはものすごく汚かったが、ジャムした手は喜んでくれました。このルートは今まで触った事が無かったが、クラックから木が生え岩に脆い箇所があった。気合を入れて再整備すれば面白いルートになると思います。
下りる時間になったので片づけ。ナベッチがロープを巻いてくれたので助かった。師匠である夏毛まっちゃんの仕込みがちゃんとしているからかな。
下山して何時もの藤内小屋で休息した。ここで偶然A子嬢ペアと遭遇した。ナベッチはA子さんとあれこれ意見交換をしていたが、モチベーション強子同士の会話は一般人には刺激的だった。行こうと思った時がその時なのだそうだ。人によってその衝動の大きさは違うだろうが、残り時間の少ない私にとってうなずける言葉だった。
暑いからか人の少なかった藤内壁。難しいルートを登るには不向きかもしれないが、熱く乾いた風が夏の息吹を背中に吹き付けてくれる。生ぬるい水でも美味しく感じるのは生きている証拠だ。





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