タケさんのお誘いで大台ヶ原のブッシュマンを登りに行ってきた。
日付が日曜日に変わったばかりの某駐車場に私を含め計5名が集合。皆さん好き者ですねと思わず夜空にニヤケ笑いしてしまった。
大台ヶ原まではオール下道でかっ飛ばしたが、道中の名阪国道は路肩に鹿が草を食べていたり、大型車両が100km以上で追い越しをかけてきたりとビビりました。また大台ヶ原までの山岳道路も長くて驚きました。
夜明けと共に現地へ到着。窓の外は予報と違いガスと強風でかなり寒かった。「別に岩登らなくてもいいけど・・・」と朝飯のパンを頬張りながらつぶやいてみたが、他の皆さんはやる気満々で準備を始めたので、仕方なしで私もザックを担いで山道へ足を運ぶことにした。
アプローチで小一時間迷ってしまい、取り付きについた時には駐車場を後から出た若者パーティーがルートをスタートするところだった。
紅葉の山に岩壁。大台ヶ原は初めてだったので、いやが上にも気持ちは紅葉ではなく高揚した。取り付きにはタラノ木が生えていたので、春に来ればタラの芽が採取出来ますよと裏情報を書いておく。
タケさんと池ネーで1パーティー、タケさんがリード。ナベッチ、パールさんと私で1パーティーとなり、1.2ピッチがパールさん、3.4ピッチがナベッチ、5.6ピッチが私の担当となった。
タケさん達が登った後にパールさんがスタートした。1ピッチ目は先行待ちもあり少し滞った感もあったが、パールさん冷静にかつ順調にロープを伸ばしていった。鍋も問題なくフォロー。私はと言うと、ザックを背負ってのクライミングなんて何年振りかなのでとても登りづらかった。2ピッチ目も同様に何とか問題なしに終了した。
お次はナベッチがリード担当の3.4ピッチ。鍋はピーピー言いながら登っていったが、途中でクラックが出てくると途端にウキキーと喜びのクライミングに大変身していた。確かにハンドジャムが効くとガバより精神が安定する事は間違いない。4ピッチ目はスタート以外は容易だったのでナベッチはすぐに終了点へ到達した。
5.6ピッチは私の番。10cなんて簡単に登れないわよ~と心の中で呟きながらヌンチャクを受け渡してもらいスタート。ハング下まではガバばかりで容易。連結ピンにクリップすると核心のハング越えとなった。ホールドで引き付けて上を覗くと抜けガバが見えた。少し遠く正対では手が届かない。悩んでいるうちにパンプしてしまったのでテンションをしてしまった。時間も押してしたのでA0でハングを越えたが、手も足もホールドは沢山ありグレードより容易に感じる人もいるのでは?
鍋フォローはハング上のクラックに惑わされてしまい又もピーピーと登ってきたが、パールさんはテンションをかけずに登ってきた。よく見るとクラック横に良いホールドがありましたわよとのお話。やはりクールパールだった。(注.新しい洗剤の名前ではありません)
最終ピッチも傾斜が強くそうそう簡単ではなかったが、頑張って終了点の大木へと抜けることが出来た。フォローの二人も問題なく登ってきてくれてブッシュマン無事完登となった。
先行のタケさんは全ピッチフリーで抜けハングも一撃したそうです。やはり凄いタケちゃんだった。
ルート最後の終了点は朝に迷ってウロウロとした場所だった。先ほどまでの晴天はどこへやらいつの間にか一面はガスに覆われてしまっていた。迷い道に先の見えない天候など山には人生を感じます。
ルートの感想としては核心ピッチ以外がグレードより少し難しく感じたが、山のマルチならばこの様なものなのだろう。ダブルロープでの登攀はそれこそウン十年ぶりだったので、登り以外に体力を使ってしまった感があった。
駐車場に戻ってナベッチのザックがとても大きく重い事がみんなの話題となった。中身を問うとみんなの分のコーヒー用お湯とか水分が多量に収納されてるとの事だった。まるでお遍路さんに接待する人の様であり、背負って登った本人は大変だっただろうが、全員で大笑いした。愉快な笑いで登攀を締めくくることが出来たので良かった。
曇り晴れ曇りと目まぐるしく変わる光と影の端境で、一日岩と山に戯れた秋の一日。こんな山中にルートを拓いてくれた方、また同行してくれた方々に感謝しかない。クライミングはポンコツだったけれど、結果だけでは言い尽くせないものがあった。
帰路はタケさんの運転。車のナビから急ハンドル急ブレーキが多いと注意されながらもワイルドスピードドライビングで山岳道路を駆け下ってくれた。
車窓から眺める大台の山はとても深く美しく見えた。心の中で沈む日と乾杯をした。良い山でした。





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